近江商人の歴史

天秤棒一本を背負って全国に向かう近江商人は、今でいえば商社の営業マンです。

行商人たちにとって、近江は交通の要所でした。とくに水路は、八幡堀り→琵琶湖→瀬田川→淀川→大阪湾へと繋がっていて便利だったため、船で運送する商人もいたそうです。しかし、近江商人たちが好んだのは、山を越えていく陸路でした。まわりを囲む山を越えたら、すぐに“よその国”になりますし、歩きながら「どこで何が必要とされているか」といった情報を集めることができたからです。

そして世間です。

売り手が満足し、買い手が満足するだけでなく、世間も納得し満足する商いをせよ、という教えです。それが今でも理念として残っています。