ライバル「キンカ堂」の失敗

ユザワヤが賑わいを増す一方で、ライバルの「キンカ堂」が昨年、経営破たんしました。渋谷店の閉鎖に伴い、シャッターに「ありがとう」のメッセージカードを貼っている光景を、ニュースで目にした方も多いのではないでしょうか。

首都圏、とりわけ都心部に集中的に出店するユザワヤに対して、キンカ堂は広い範囲に出店し、しかも100均ショップ「キャンドゥ」や食料品店などを併設することが多かったようです。また、最初から「手芸用品」に絞ってスタートし、徐々に品数を増やして行ったユザワヤに比べて、商品も客層の設定も曖昧でした。

一方のユザワヤは、新しい客層の開拓にも成功しました。アイロンで簡単にスワロフスキーを貼り付けることができる「クリスタルシート」は、これまで手芸に興味のなかった女子高生、おしゃれに関心の高い主婦やOLの心をつかみ、そのブームにつられて“草食系男子”までもが来店して買い物を楽しんでいました。

「ユニクロ00」という新しい流行語までつくりだすヒットとなり、今や渋谷の街では、下着のグンゼが自社商品をユザワヤのクリスタルシートでデコレーションし、個性的な下着リメイクという新しい楽しみ方を提案しています。