ステンレスの建値がトン当たり5000円値上がりしました。

関東地区のニッケル系ステンレス鋼材市況は7、8月も全面高の展開となりそうだ。鋼板、条鋼、溶接鋼管など各ステンレスメーカーが4、5月契約で大幅な店売り値上げを実施したため、流通各社がこの価格転嫁を急ぐ局面が続く。足元でLMEニッケル価格が低下し、ニッケル系ステンレススクラップ市況も下落しているが

ステンレスの建値が5000円/t値上がりしました。

ステンレスは鉄にクロムを12~30%入れた合金で、クロム酸化物の薄い膜が表面を覆って中を保護するため、錆びにくさを保つ鉄系の合金です。中でも耐食性を高めたのが、18-8ステンレス(クロム18%とニッケル8%のステンレス鋼)であり、一般的に広く利用されています。

SUS304とは、日本工業規格(JIS)で定められたステンレスの規格で、SUSはステンレス鋼材(板、帯、棒、線、管)の規格で「Steel Use Stainless」の頭文字を示します。始めの3は、鉄種の大分類を示し、下記のようになっています。

200番台 クロム、ニッケル、マンガン系
300番台 クロム、ニッケル系
400番台 クロム系
600番台 高温度強度合金系
下2桁は、304(18Cr-8Ni)、430(18Cr)

ステンレスは鉄の約3倍の高級材料で、ステンレス廃材は回収業者に売られ、製鉄所の高炉に混ぜて溶かされ、再びステンレス材料として戻ります。汚れなどの不純物が入って質が下がるのでは?と思いますが、新しく鉄鉱石から作る場合はもっと多く不純物が含まれているため、スクラップを混ぜた方が純度は上がり質も良くなります。

ステンレスコイルを作るには、
良いステンレスを作るには、ステンレス屑(スクラップ)を40%混ぜないと出来ないそうです。1回の溶解量は60トン、ドロドロの鉄を柄杓ですくって分析し、SUS304の場合には鉄71%、クロム18%、ニッケル8%、他3%に調節するそうです。その際に分析表(ミルシート)が作成されます。
ドロドロに溶けた釜の高さ150mから型に注入し、厚さ25cm×幅160cm×長さ10mにレーザーカットされホットが出来上がります。さらにグラインダーで全面を削り、1200度に熱して、自動圧延9回で2.5cmの厚さになるそうです。