純鉄とは、炭素、リン、硫黄などの不純物元素を極力抑えて、
純度99.999%まで上げた鉄のことである。
1999年東北大学金属材料研究所教授の安彦兼次らのグループが、
純度99.9989%の高純度鉄(純鉄)の開発に成功した。
その後99.999%までの高純度鉄の開発に成功している。
ここまで純鉄化すると、
第1に、酸に対する耐食性が通常の鉄の10倍以上高くなり、
金や白金(プラチナ)も溶かすといわれる王水(※)の中に入れても溶けない。
第2に高い性能を示す。
つまり、もろくならない。
車の場合、ぶつかってもグシャッといかない。
もし大惨事となったタイタニック号の船体が、
純鉄を使用していれば沈没を免れたかもしれない。
鉄って凄いでしょ。
※王水とは、濃硫酸と濃塩酸を体積比1:3で混合した、強力な酸化力をもつ酸である。
金属が溶けるということは、イオンになって水溶液中に溶け出すということである。