「過保護」の話

今日は、「過保護」の話です。

 中学校のPTAの会長になり始めのころに、会長向けの講演会がありました。

講演の内容は、テレビの人気クイズ番組の問題を製作したAさんの経験の話でした。

 テレビの収録は日に2回行われていました。

スタジオの斜めに保護者の観覧席が、ありました。

やはり子供に少しでも頑張ってもらいたいので保護者の中には、ジェスチャーを送り答えを教えたくなる人がいます。

実際にいたらしく、髪をさわったり、首を回したりして野球の監督のように巧妙なブロックサインを送る人もいたほどです。

しかし、せっかく送ったサインも間違うこともあるわけで収録が終わり入れ替えの時に「おかあさんの答え間違っていたよ。」と親を責める子供もいました。

 その何年後にAさんも結婚し、子供も成長して、小学生になりました。

ある日、子供がお母さんに降水確率50%と天気予報が報道されているので今日雨が降るかどうか聞いてきました。

おかあさんは、とりあえず傘を持たせました。

その日の午後、子供が傘を回しながら、「おかあさんの予想間違ってたよ。」と自慢げに話しかけてきました。

その時に、Aさんは、「ハッ」と思いだしました。

クイズの収録後の子供の親と同じことをしていると自分を反省しました。

 次回からは、雨が降りそうな時に、雨が降るかどうか聞かれても

一言「降水確率60%。」と答える様にして

あとは自分で考える様にしなさいと言いました。

 その日の午後にズブ濡れになって帰ってきた子供は、一言もしゃべらずに部屋に入りました。

気の毒にと思いましたが仕方ありません。

子供の自立心を養うためです。

それから子供は自分で考えて親にいちいち聞くこともなく、雨が降りそうなとき傘を持っていくようになりました。

 

後記

急に、暑い日になるようになりました。水分補給と休憩をして暑い日を過ごしてください。季節外れの風邪にご注意を。