コンバインと精米機、脱穀機の回収を依頼されました。

「時間軸の長さにびっくりしました。」

 鉄の回収という商売をしていると、実に様々な業種の方から連絡をもらいます。

先週にコンバインと精米機、脱穀機の回収を依頼されました。

自分は、てっきり田んぼや畑が近く、その空地などに置いてあるのかと早合点していました。

探していても中々なくて、やっと見つけた場所は、街中で大きいビルの裏駐車場の一角の工場でした。

こんな処にあるのかな?

ポストにそれらしき名が書いてありました。

あっ此処だったと、中に入ってみると近代的な工場でした。

奥の事務所に入って挨拶すると若い30代らしき男性が応対してくれました。

物品の確認を済ませて、男性がおもむろにこんな話をしてくれました。

私たちの仕事は、米の品種改良をしています。

実験のプランターなら、最短3ヶ月、農地の実用試験は1年かかります。

 米の品種改良は、10年スパンの仕事です。

色んな品種の米の種を掛け合わせて何百、何千ものサンプルを作り、それらをまた掛け合わせていく。

中国の富裕層に日本の米が輸出されていると聞きましたが、自分の近くのこんな場所で、日本米の美味しさの秘密が隠されていたとは…。

話している時も、続々と米の種のサンプルが運びこまれてきます。

1つのケースに100個以上入っています。

1つの商品を作るのに10年間手間暇かけて作りこむ、時間軸の長い気の長い仕事にびっくりしました。

普段自分が食べている米がこんなにも手間をかけて品種改良されて、さらに美味しくなっていく。

子供のころに米は、88の手間暇が掛かると聞いてましたが、米の種はそれの何倍もかかるのかと。

米を粗末にしてはいけないと真摯に感じました。