ヒッチハイクをした伊藤君の話…~その2~

ヒッチハイクをしていると「エッ何?」といった感じでみんな怪訝な顔をして素通りしていく。しかしそこへ大型トラックが止まると長距離トラックの運転手さんは、いきなり話しかけてくる。

「兄ちゃん どこから来たの?どこ行くんや?まぁ乗れや。」から始まりいろんな話題が出てくる。 そして「名古屋か?俺の妹が名古屋にいるよ・・・。」

そこから妹の話やら、家族、仕事の話が4~5時間延々と続くが方言もあるのでとても聞き取りにくい。 しかしここでグッと我慢してただニコッとして話を聞いてあげる。これがルールというかマナーだ。ヒッチハイクというのは彼らの眠気覚ましに付き合ってあげる。沈黙は厳禁。機嫌を損ねたら大変だ。(場合によっては、下車しなくてはならない状況にもなりうる)

話が盛り上がると夕食まで奢ってくれる。たまたまヒッチハイクでであっただけの長距離の運転手さんが なんだか学生時代のいい先輩のように見えてくる。

そうなると日本っていい国だなぁと思うよ。日本には、まだまだいい人はいっぱいいる。

「もっともオススメなのは、工事現場の車かな和歌山県が、土木工事で凄く忙しかったから大阪方面の便は、沢山あるから困らなかったなぁ。もちろんスルーの連続もあり、心が折れることも日常茶飯事だったよ」

伊藤君が最後にボソッと、「きっと人に親切にされた人が、人に施すように親切や施しって大事だよ。俺、最近募金してるもん。」

日本人の心の豊かさが人を満たしてくれるように、伊藤君も本当に心が豊かなんだと感心しました。